住民投票条例論(1) 個別型・非個別型
「季刊自治と分権」第30号で、上田道明・藤島光雄・稲野文雄「住民投票の制度化はどこまで進んでいるか」と題した論文が掲載されています。住民投票条例について、詳細に論じられたものです。ここでは、この論文に即して住民投票制度について整理、確認しておきます。
一般的な住民投票制度は、現在の地方自治法制において存在しません。例外は憲法95条の地方自治特別立法、首長・議員の解職請求に関するもの(自治法76条以下)、市町村合併特例法によるものなどがあるにすぎません。法定されたもの以外の場合について、住民投票を実施するならば、現行法上、自治体が住民投票条例を制定し、それに基づいて実施するのが唯一の方法です。しかしながら、2006年度末現在、住民運動団体からの住民投票条例制定についての直接請求が584件もあったのに対して、成立したのは95件、16.3%にすぎないというのが現実です。
住民投票条例が初めて制定されたものとして有名なのは、1982年7月19日に制定された高知県窪川町(現四万十町)の「窪川町原子力発電所設置についての町民投票に関する条例」です。これは町長の提案によるもので、しかも、原子力発電所の設置がなされなくなったため、実施には至らなかったものです。
実際に、住民投票条例に基づいて実施されたことで注目されたのは、新潟県巻町(現新潟市)が1995年7月19日制定した、「巻町における原子力発電所建設についての住民投票に関する条例」で、1996年8月4日に実施されています。投票率88.3%、原子力発電所設置反対への投票が60.9%という結果でした。当時、マスコミなどで大々的に報じられたため、多くの人が記憶にあると思います。
この論文では、住民投票条例を次のように分類しているのが、大きな特徴です。
まず、大きく、「個別型」と「非個別型」に分けています。
個別型とは、先ほど紹介した巻町の条例のような原子力発電所建設の是非、あるいは岐阜県御嵩町のような産業廃棄物処理施設設置の是非など、個別の政策・争点に関する住民投票条例のことです。
「非個別型」とは、個別型とは違い、実施対象を特定の個別争点に限定しないタイプの住民投票条例のことです。その第1号は、1997年に制定された「箕面市市民参加条例」です。ただし、箕面市条例は、投票の実施について「別に条例で定める」とし、結局は個別型条例の制定を要したため、住民にとっては議会という障壁が何ら改善されていなかったことになるわけです。この限界を克服したのが、2000年に制定された「高浜市住民投票条例」です。高浜市条例は、住民投票の投票資格者の3分の1以上の署名により市長に対して住民投票の実施を請求でき、市長は投票実施を拒否できないと規定しています。つまり、議会の意思にかかわらず、住民投票の実施が義務付けられる条例であることも、注目された大きな理由です。
次に、論文では、この非個別型をさらに分類しています。記事が長くなりましたので、また、後日書くことにします。
一般的な住民投票制度は、現在の地方自治法制において存在しません。例外は憲法95条の地方自治特別立法、首長・議員の解職請求に関するもの(自治法76条以下)、市町村合併特例法によるものなどがあるにすぎません。法定されたもの以外の場合について、住民投票を実施するならば、現行法上、自治体が住民投票条例を制定し、それに基づいて実施するのが唯一の方法です。しかしながら、2006年度末現在、住民運動団体からの住民投票条例制定についての直接請求が584件もあったのに対して、成立したのは95件、16.3%にすぎないというのが現実です。
住民投票条例が初めて制定されたものとして有名なのは、1982年7月19日に制定された高知県窪川町(現四万十町)の「窪川町原子力発電所設置についての町民投票に関する条例」です。これは町長の提案によるもので、しかも、原子力発電所の設置がなされなくなったため、実施には至らなかったものです。
実際に、住民投票条例に基づいて実施されたことで注目されたのは、新潟県巻町(現新潟市)が1995年7月19日制定した、「巻町における原子力発電所建設についての住民投票に関する条例」で、1996年8月4日に実施されています。投票率88.3%、原子力発電所設置反対への投票が60.9%という結果でした。当時、マスコミなどで大々的に報じられたため、多くの人が記憶にあると思います。
この論文では、住民投票条例を次のように分類しているのが、大きな特徴です。
まず、大きく、「個別型」と「非個別型」に分けています。
個別型とは、先ほど紹介した巻町の条例のような原子力発電所建設の是非、あるいは岐阜県御嵩町のような産業廃棄物処理施設設置の是非など、個別の政策・争点に関する住民投票条例のことです。
「非個別型」とは、個別型とは違い、実施対象を特定の個別争点に限定しないタイプの住民投票条例のことです。その第1号は、1997年に制定された「箕面市市民参加条例」です。ただし、箕面市条例は、投票の実施について「別に条例で定める」とし、結局は個別型条例の制定を要したため、住民にとっては議会という障壁が何ら改善されていなかったことになるわけです。この限界を克服したのが、2000年に制定された「高浜市住民投票条例」です。高浜市条例は、住民投票の投票資格者の3分の1以上の署名により市長に対して住民投票の実施を請求でき、市長は投票実施を拒否できないと規定しています。つまり、議会の意思にかかわらず、住民投票の実施が義務付けられる条例であることも、注目された大きな理由です。
次に、論文では、この非個別型をさらに分類しています。記事が長くなりましたので、また、後日書くことにします。
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