マンションの政策法務(5)

狙われるマンション修繕積立金 管理会社の横領相次ぐ
 マンション所有者が、将来の大規模な改修に備える修繕積立金を、管理会社側が横領する事件が全国で相次ぐ。03年以降、国土交通省の把握分だけで127物件、被害総額は約12億円にのぼる。被害防止に国交省は法令を改正したが、所有者側もすきを与えない注意が必要なようだ。
 「間違えて管理組合の口座に入金してしまいました」。04年夏、東京都品川区のマンションの管理組合の理事長の妻に差し出された払い戻し請求書には「¥1788」と記されていた。妻は疑うことなく理事長印を押した。
 ところが、金額の前の「¥」は、専用の消しゴムで消せるボールペンで記入されていた。不動産会社・和泉創建(東京)の社長らは、「¥」を消して金額の前に「900」と書き込み、組合の口座から900万円余の修繕積立金を引き出した。
 こうした手口で26の管理組合の口座から計1億5千万円が会社の運転資金に消え、同社は05年に倒産した。
 首都圏で70物件を管理していた東洋ビル管理(東京)は03年に倒産後、50物件で計約1億8千万円が会社の運転資金に使い込まれていたことが発覚した。管理会社を信頼して、白紙の払い戻し請求書に組合の印鑑を押してあらかじめ渡したり、印鑑を預けたりしていた管理組合もあった。
 石川県の不動産会社・シーピーは、金沢市や同県野々市町の14の管理組合から、03〜07年に計約5億円を200回以上にわたって着服。横領を隠すため、組合口座の残高証明書を偽造していた。東京の2社は倒産に備えた業界団体の保証制度に加入していたため、1カ月分の積立金が組合に戻ったが、シーピーは未加入だった。
 個人犯罪も相次いでいる
業界最大手の大京アステージ沖縄支店でも昨年3月、19の管理組合から計8千万円を着服していたことが発覚。担当社員が8年にわたって口座の残高証明書を偽造して見つからないようにしていた。長崎市でも、太平ビルサービスの元社員が印鑑を偽造し、1億8千万円を着服していた。
 国交省に登録するマンションの管理会社は全国に約2300社ある。
 修繕積立金や管理費は三つの方式から選んで保管することが、マンション管理適正化法で決まっている。だが、通帳と印鑑の保管の仕方に問題があったり、管理組合が業者任せにしたりといったケースが多かった。
 原則方式は管理組合名義の口座で積立金と管理費を集めて保管。管理会社はエレベーターの保守点検や植栽の手入れなどで支出が生じる度に、組合の印鑑をもらう。本来、最も住民が監視しやすいはずだが、面倒に感じて印鑑を渡してしまう組合が少なくない。通帳も管理会社が持っていることが多い。
 ほかの二つの方式は、収納口座と保管口座に分けて積立金を保管するのは同じだ。管理会社が積立金と管理費を集め、経費を差し引く。
 収納代行方式の場合、収納口座は管理会社名義。万一、会社が倒産すると、本来、組合の金だったはずの積立金が会社の資産になってしまう。
 支払い一任代行方式は、収納口座の名義も組合だが、通帳も印鑑も管理会社が預かることができる。組合のものになるはずの管理費の残額が、管理会社の裁量で出し入れできる収納口座に積み上がる欠点があった。
 高層住宅管理業協会の保証制度に加入する約300社を対象にした06年の調査では、原則方式は3割、収納代行方式は2割、支払い一任代行方式が5割近くを占めた。


 朝日新聞6月30日付記事からです。
 マンション管理組合の運営上、最も深刻な問題が管理会社による修繕積立金の着服で、以前から注意喚起されてきました。私のところでは、上記の記事でいうところの原則方式を採用しています。管理会社の名義で口座などつくれば、かなりの確率で着服がなされるでしょう。

 原則方式を採用していても、事故防止のため、預金通帳と印鑑は別々に保管するのが鉄則です。預金通帳は管理会社、印鑑は理事長といった具合です。しかし、印鑑の保管を面倒と思っている人が多いようですし、管理会社から押印を依頼されれば、特に疑うこともなく応じることがほとんどだと思います。管理会社が弁済してくれればいいのですが、会社が倒産したりすれば億単位の資産を失うことになります。

 こうしたことから、管理会社は大企業が好ましいのですが、これとて絶対的なものではありません。つまりは、自己責任です。管理会社任せにしておくと、必ず痛い目にあうのです。そして被害にあってからでは遅いということも自覚しなければなりません。「会社が悪い」「役員が悪い」と住民間で責任のなすりつけあいをすることになります。しかし、やはり自己責任なのです。

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石川県、携帯所持規制を条例化

小中学生の携帯所持規制 保護者に努力義務 石川県条例
 小中学生に携帯電話を持たせないよう保護者に努力義務を課した石川県の「いしかわ子ども総合条例」の改正案が、29日開かれた6月定例県議会で自民会派などの賛成多数で可決された。県によると、携帯電話の所持を規制する条例は全国で初めて。来年1月から施行される。
 県議会で過半数の自民が中心に準備を進め、他会派とともに今月17日に議員提案した。条例改正案は「保護者は小中学生に、防災、防犯、その他特別な目的の場合を除き、携帯電話を持たせないよう努める」と明記した。罰則規定は設けていない。
 文部科学省の昨年12月時点の調査では、全国の小中学校の9割以上が学校への持ち込みを「原則禁止」としている。校内への携帯電話の持ち込み禁止は広く定着しているが、今回は校内外を問わず条例で所持を規制しており、さらに踏み込んだ。
 一方、県側も18歳未満が使う携帯電話のフィルタリング機能(有害サイトの閲覧規制)を強化する条例改正案を提案し、全会一致で可決された。携帯電話の事業者に対し販売の際にフィルタリングの目的について文書での説明を義務づけ、保護者は特定の理由を除いて機能を解除できないとした。フィルタリング強化の条例は兵庫県でも7月に施行される。
 改正条例には、議員提案と県提案の両案の内容が盛り込まれる。県は保護者や学校関係者への説明会を開き、周知を図る。


 朝日新聞29日付記事からです。
 私が携帯電話を使い始めたのは21世紀になってからです。必要性を感じなかったため、多くの人と比べるとかなり遅れたほうだと思います。あまり使っていませんので、毎月の携帯代金は、家族3人で1万円くらいです。

 携帯電話のマナーは大人でも顔をしかめてしまうことが多いです。例えば、毎日乗っている通勤電車の中で、次のようなシーンは少なからず目にします。

 乗客A:(携帯が鳴ったので取り出し)はい、もしもし・・・あ、今、電車の中ですので・・・
 [それでも電話の相手は、何かを伝えようとしているようです]
 乗客A:ええ・・・はい・・・あの・・・今、電車の中ですので、後ほどこちらから連絡しますので・・・

 こういう乗客は常識があります。根本的には、電車内で携帯が鳴ろうが、叫ぼうが、一切通話しないようにしておくのがベストです。最悪なのは、電車の中だと伝えているにもかかわらず、しつこく通話を続けようとする相手です。どんな重大な用件があるのか知りませんが、仮に10分後にかけ直したとしても、結論に大差はありません。要するに、自分さえよければいいという輩が、こういう醜いマナー違反をしているのです。

 小中学生の携帯所持規制には反対しませんが、上記のような大人をしばしば見ているため、子どもたちの将来のために、マナーを徹底的に教育するほうが、政策としては望ましいと思います。こういうのって、なかなか身につかないんですよねえ。

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地方公務員の報告発表能力

 政策法務研究会の祭典である、自治体法務合同研究会おおさか大会が来月開催される予定です。講演会やシンポジウムのほか、各地の政策法務研究会メンバーが研究報告を行い、その中で質疑応答が交わされます。

 報告発表といえば、事前にレジュメを作成し、これを配布し、発表者が報告をする。報告内容レベルの高低、話術の巧拙など、いろいろ差があります。それでも、毎年、全国の政策法務に関する諸問題を知ることができるのが、大きな楽しみです。

 しかし、気になることがあります。どうも最近は、パワーポイントなど「映像」を活用して、聴取者の「視覚」に訴える手法を採用する報告者が増えているようです。限られた時間で、できるだけ多くの情報を提示したいこと、分かりやすさを追求したいことなどの理由から、こうしたものを活用するのでしょうが、どこか抵抗感を持ちます。普通に、レジュメと話術で、理解してもらうように努力できないのでしょうか。そういうのは古臭いと考えている人が増えているのでしょうか。

 昔の文豪や著名学者が凄いのは、パソコンなどない時代に、万年筆と原稿用紙で作品を完成させていたことです。何度も推敲を繰り返し、原稿用紙がインクで真っ黒になっているのを見ると、それだけで迫力を感じます。コンピュータを活用することを否定しようとは思いませんが、過剰に依存しているような印象を持ちます。人の前で、要点を分かりやすく伝える能力が劣化しているのは、地方公務員だけではないのかもしれませんが、気になります。

 ちなみに、私が政策法務研究会で発表する場合は、レジュメ配布だけで、コンピューターは使用したことがありません。聴き手側にとっては、辛いかもしれませんが。

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障害を持つ女子の中学校進学

女子生徒の中学入学命じる=「障害で拒否」の町に仮決定−奈良地裁
 奈良県下市町立中学校への入学を希望していた身体に障害を持つ谷口明花さん(12)=同町=と両親が、町教育委員会を相手に、入学を認めるよう求めた訴訟で、奈良地裁(一谷好文裁判長)は26日、同校への入学を義務付ける仮決定を出した。代理人弁護士によると、中学校入学での仮決定は珍しいという。
 決定によると、校舎には手すり付きトイレが設置されているなど、設備などに不都合はないと指摘。「中学校教育の期間はわずか3年間しかないのに、提訴してから既に3カ月近くが経過しており、緊急の必要性がある」と、同日からの女子生徒の入学を認めた。
 訴状などによると、明花さんは両足と右腕が不自由で、3月に町立小学校を卒業。下市中への進学を希望したが、同校は施設未整備などを理由に、入学通知を出さず、特別支援学校への進学を要請していた。

 
 時事通信26日付記事からです。
 障害を持つ生徒を特別支援学校(かつての養護学校)で教育することについては、現場の教師たちからも賛否両論あると認識しています。一般的には円滑に学校生活ができるようにするために、特別支援学校が適切という考え方があり、一方で、卒業して社会に出れば荒波にのまれることになり、それに耐えられる自立心、自立力をつけるために、普通学級で学ぶのがいいという意見も聞いたことがあります。私は、その生徒の状況や希望などを勘案して決めればいいと思っています。しかし、ほとんどの中学校は、何か事故が発生した場合、すべての責任を押し付けられるという恐怖感から、障害を持つ生徒の受入れは消極的です。これはこれで理解できます。保護者は普通学級進学を強く希望する以上、そういうリスクはある程度覚悟してもらう必要があります。

 マスコミ報道は、障害のある子どもの教育について、しばしば美談にしたがりますが、決してそんなものではありません。この奈良の生徒もいろいろ苦労するでしょうし、それを乗り越えていくことで、自己責任というものを学び、自立力を培っていくことになると思います。将来、何でも国のセイ、社会のセイにする無責任な大人にだけはならないように願っています。

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宮崎県・東国原知事、衆院総選挙に出馬か?

 自民の総選挙出馬要請に、東国原知事「総裁候補なら」
 自民党の古賀誠選挙対策委員長は23日、宮崎県庁で東国原英夫県知事と約20分間会談し、次の総選挙に自民党から出馬するよう正式要請した。知事側は自民党総裁候補とすることなどを出馬の条件に挙げたが、結論は出なかった。
 東国原氏は総選挙で「次期総裁候補」として当選した後、総裁に選ぶように求めたと見られる。
 古賀氏は会談で「自民党も自浄能力を発揮して変わっていかないといけない」と出馬を要請。これに対し、東国原氏は(1)全国知事会でまとめた地方分権に関する方針を自民党の政権公約(マニフェスト)に盛り込む(2)自分を次期総裁候補とするとの2条件を提示した。
 会談後、東国原氏は記者団に「(条件を)実行すると約束していただけるのであれば、何らかの政治行動をとらなければならない」と国政転出の可能性をにじませた。
 麻生首相は23日、東国原氏について「おちょくったような気持ちで言っておられるとは思いませんけれども、詳細を把握していないのでコメントのしようがありません」と述べるにとどめた。


 朝日新聞23日付記事からです。
 自民党は次の衆院総選挙で勝つために、票を集めることができる人材の獲得に躍起になっているようです。知事から国会議員への転身については、本来、悪いことではないとは思います。特に、東国原知事は、以前から国政への転身を考えておられたことは、かなり知れ渡っているようです。最も高いハードルは、知事1期目の任期途中での国政への転身を、有権者が認めてくれるかどうかでしょう。このことを意識してか、テレビのニュース番組の中で、「宮崎のために国政にでる」といった趣旨の発言をされていたと思いますが、それは誤りではないでしょうか。宮崎県のために国会議員になるなら、その他大勢の単なる利権議員の一人にすぎなくなります。

 多くのメディアが、次の衆院選挙では、自民党大敗、民主党大勝という予測を打ち出しています。個人的には、衆院は与党過半数、参院は野党過半数がいいと思っています。民主党政権への「期待」が世論のようですが、民主党に霞ヶ関をコントロールできるだけの力量があるとは思えません。それでも、今の政権にお灸をすえるために、そして国政に緊張感を与えるためにも、一度、政権交代があってもいいと思います。まあ、どうせ民主党政権は、短命で終わるでしょうし。

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